幻のロストバージンアイランドの存在
それは『処女捨て島』と呼ばれていた。
それはまだ、リーゼントに革ジャンが流行していた昭和の時代。
処女を捨てたい女子高生から女子大生・OL達は東京都にある島に行った。
当時の若者は、その島を処女捨て島とか誰でも童貞が捨てられる島、と呼んでいた。
それは夏になると島のビーチに沢山の人たちが集まり、欲情していた。
その島は東京から南へ100km以上、下がった海に浮かんでいた。
伊豆諸島。景色から都会の印象は無いが、東京都である。
俗に人気が高かったのは新島、式根島、神津島。
近場の大島もそれなりに人が集まった。
三宅島にも人が集まったが、大島だと船旅にはやや近すぎる。
三宅島だと若者にはやや遠すぎて船賃が割高になった。
そこで、旅行気分を満悦できてぐるりとみまわす蒼い海と広大な空と輝く太陽で、開放感抜群のロケーション。
男を知らない女性でも欲情すれば股を開く土地柄と化した。
それはまるで、パニック状態に陥ったかの様に複数で泊まりにきた女子の一人が処女喪失すれば、次に続けとばかり処女膜を破られることを望んだ。
そんな聖地というか、凄い観光地があったのだ。
処女捨て島は今…
夏の盛りだというのにビーチでは以前の盛り上がりは嘘のように閑散としている。
若い女同士、男同士というグループ旅行が当時に比較して少なく、サーファーや家族連れの観光客が多く、客層が変わった。
その当時はビーチといえば最寄の海だった。
ちょっとリゾートを味わうのであれば船に乗っての宿泊が、ちょっと大人になった感じになるには充分だった。
近年では、グアム、サイパンなど飛行機での旅行も格安になり選択肢も増えた。
その当時を知る自称40歳のスナックのママは語った。
「あそこは凄かったよ。船に乗る前から、可愛くない子でもナンパされていた。みんなヤリ目的なんだけれど、今まで男にちやほやされた事の無い女の子でさえ、凄いもてていたから、段々その気になってしまったんだろうね。」
---ママもそこで処女喪失したの?
「私は既に捨てていて、経験済みだったんだけれど島に行ったのは初めて。高校生のとき、仲良しの女友達三人で行ったんだけれど、二人ともロストバージンして旅を終えた。最初からヤリ目的ではなくて、凄い男達がナンパしてくる噂は聞いていた。それで、ひと夏の恋というか出会いを求めて行ったのは事実だね。」---友達は島で処女を捨てて後悔はなかったんですか?
「なかったんじゃない。海でナンパされているか、男と寝ているかだったもの。」---旅行中はずっと、彼ができて一緒だったわけですね?
「それがそういうわけでもないんだよね。最初にエッチした奴らは先に島に来ていたから、先に家に帰るわけ。その後、また新しい出会いがあって…。うふふ」---よりどりみどりですね。
「そうよ。凄いもてかただったもの。友達の一人なんか、決して美人でもないし、どちらかというとブス。でも、彼女でさえ処女を捨てられた島だったんだよね。今思うと、凄いよ。ほんと。」---ナンパはそんなにすごかったんですか?
「すごいってもんじゃなかったよ。浜松町の駅を降りて桟橋に向かう迄の間でも複数の男性から声をかけられる。もうナンパしまくられりだね。船に乗る頃にはさ、格好いい男がいれば、いいけれど変な奴も沢山いてさ。断っても、断っても次から次へといろいろな男が声をかけてくる。行きは真面目な恋を求めていたからさ、声をかけられても無視をしていた。でも帰りは違ったね。(笑)私はさ、ちょっとタイプの男だったからカップルになったけど、結構押しの強い男は容姿関係なく、うまいことやっていたんじゃない。男に免疫が無い友達でさえ、夜中トイレに行ってくると言ったまま帰ってこない。心配して探しに行ったら、同じフロアで男と毛布かぶってモソモソしていたの。一番安い客室は雑魚部屋で、毛布だけ掛けて寝るのが普通だけど、みんな毛布かけてエッチしていたよ」---処女捨て島というのは本当だったんですか?
「確かに、処女捨てたければ、あの島に行けば間違いなく捨てられるね」---でも、どうしてそんなパラダイスの様な島が今ではないのでしょうか?
そこでマスターが登場して、その当時を語ってくれた。現在は44歳、妻子持ちだが、高校生の時は島に行けばかなりいい思いをしていたらしい。
「高速船が就航したにもかかわらず当時の様な盛況ぶりはないな。あのゆっくりとした時間の流れがナンパには大切なんだよな。直ぐ着いてもらっては困る。更に雑魚寝できる座敷というのもよかった。飛行機では絶対に味わえないな。片っ端から声をかけても、次から次へと船が女を運んでくる。嬉しいよね。昼間はナンパして夜はビーチや宿でしけこむ。連れ込みが駄目な宿だと、海でするしかない。翌日の朝、ビーチは使用済みコンドームでいっぱいになるくらい。最初見たとき、島特有のくらげかと思っていたよ。(笑)やっぱり、高校生がビーチでタバコを吸う、捨てるのは当たり前で今みたいな環境にやさしくという感じは無かったし、妊娠したり、痛いといっているのに無理やり挿入したりする奴がいて問題になったんじゃないのかね。異常だったもの。また、今から船で旅するより飛行機に乗って海外のほうが格好いいじゃん」---それで今は処女捨て島はなくなってしまったのですか?
「島はあるよ。でもあの時の様な島ではないな」
朝になると海は処女の血で赤く染まり、海に入ればコンドームがくらげのように浮遊していたという処女捨て島は伝説になってしまった。処女捨て島が無くなった今でも処女捨てたくなればお気軽にご相談下さい。
レビュー: Maho Kawamura
. 親元を離れて、自由になったうえ、初めてだらけのアバンチュール。
人生今までない体験したことのないナンパの数を体験できるのが処女捨て島でした。
どんなブスでも、声をかけられるので友達同士で同じ日に処女喪失する思いでも珍しくない。
親友がいたから、勇気が持てた夏休み。昭和の時代、夏かいしい思い出。
評価: 2
[祝] ロストバージン
昭和の時代に処女捨て島と呼ばれる場所があった。
20160717 更新